日本の教会に忍び寄る危険なムーブメント –NARに関する警鐘を鳴らす–

前書き

異端・カルト問題に取り組むようになって、約40年も経とうとしている。初めはエホバの証人、モルモン教、統一協会など、ほとんどすべてのキリスト教会から問題視されているグループの研究に励んだり、現役信者や元信者のカウンセリングを行なったりした。また、本の出版やセミナーによって啓蒙活動を進めて来たが、2000年頃から、十字架を掲げたキリスト教会においても、カルト的な体質(

極端な権威主義)が見られることもある、ということに気付いた。そこで、『教会がカルト化するとき』、及び、『健全な信仰とカルト化した信仰』(いのちのことば社)という本を出し、それによって、この問題に対する認識がかなり高まったように感じている。また、教会のカルト的体質を変えようと悔い改めた幾つかの教会の支援をさせていただくことができて、神に感謝している。

そうした働きの中で、そろそろ若い世代にバトンタッチをすべきではないか、カルト問題の最前線から退くべきではないか、という思いが湧いて来たし、もはや本を書くことはないだろうとも考えていた。ところが、2018年の4月に、神から新しい研究課題が与えられたように強く感じた。その過程の詳細は省略するが、身近に起きていた問題から、どうしてもあるムーブメントのことを調べずにはいられなくなった。アメリカから始まったそのムーブメントの中心的メンバーの著書が多数、和訳されているし、指導者によるセミナーも各地で開催されている。しかし、レーダーに引っ掛からないように低空飛行を続ける飛行物体のように、誰からもマークされていなかった。その問題点や危険性を指摘する日本語の情報は皆無だった。そこで、アメリカから数十冊の本を取り寄せて、本格的な研究を開始したのだ。その中に、当ムーブメントを支持するものもあれば、批判するものもあったが、それらを読んで行くうちに、長年のカルト研究の中で、初めて怖さを感じた。今まで見て来たグループの中で、最も危険なものだという思いさえした。

本書を読まれる方々にも、きっと同じ怖さを感じていただけるのではないかと思う。しかし、そこ止まりで終わってしまうのなら、この本の出版に意味がない。本書を通して、是非、霊的識別力を身につけていただき、また、信仰のために戦う者として立ち上がっていただきたい(ユダの手紙3節参照)。
本書の出版に際して、ご尽力くださったハーベストタイムの中川師、及び、スタッフの皆さんに心から感謝する。

神に栄光があるように。