真理のみことば伝道協会

カルト宗教被害者の皆様の問題解決のお手伝いをさせて頂いております。

100兆ドル紙幣が物語る悲劇

2013年3月8日(金)

 先日、私の手元に、100兆ドルの紙幣が届きました。ある国が実際に発行して、使用していたものです。その国とは、アフリカのジンバブエです。ジンバブエ・ドルは2007年に世界で最も価値の低い通貨ワースト5の一つとなり、国はその対応策として急きょ、1億の額面のジンバブエ・ドル札を発行しましたが、その後、通貨の価値が更に下がり、ついに2008年の末には100兆ドルの紙幣が登場しました。年間インフレ率は約2億3000万パーセントに達したのです。
 かつては農業、鉱業、工業のバランスの取れた経済を有する国家として、「アフリカの穀物庫」と呼ばれていたジンバブエですが、2013年1月の時点で、国庫金の残高がたったの217ドル(約2万円)になっています。いったい、ジンバブエの経済を駄目にしたのは、何でしょうか。1965年まで続いた植民地時代、白人農場主が国土の90パーセントを所有していました。彼らは農業の技術を生かして、小麦などの作物の生産性を高め、国は農業国として繁栄しました。しかし、その一方、国の繁栄を支えていたのは、低賃金で過酷な労働使役についていた黒人です。彼らは国の繁栄の恩恵を受けることなく、貧困に喘いでいました。段々と白人支配に対する不満が募り、1960年代から黒人による独立運動が始まります。1980年につい白人政権が打倒され、黒人国家が樹立されます。初代首相として選ばれたロバート・ムガベは、初めは黒人と白人との融和政策を進めましたが、2000年8月から白人所有大農場の強制収用を政策化し、協同農場で働く黒人農民に再分配しますが、その結果、白人地主が持っていた農業技術が失われ、食糧危機や極度のインフレが発生した訳です。しかも、ジンバブエの救世主と期待されていたムガベ氏は、段々と独裁者としての正体を現わすようになりました。言論の統制や、厳しい報道規制などの強権的な政策を打ち出していきました。また、2008年3月に行なわれた大統領選において、野党勢力に敗北しましたが、選挙終了後も長期にわたって選挙結果を公表せず、野党勢力に徹底した弾圧を加えました。更に、国民の700万人が飢餓状態であっても、常に超豪華生活を楽しんでいるのです。
 カルトにおいてもよく見られるパターンですが、偉大なリーダーとして崇められている人間が、実は、自分の懐を肥やすために人々を奴隷にし、その財産を巻き上げてしまいます。イエス・キリストも、そのような人間について、こう述べています。
 「あなたがたも知っているとおり、異邦人の支配者と認められた者たちは彼らを支配し、また、偉い人たちは彼らの上に権力をふるいます」(マルコ10:42)。
 この世の指導者の特徴は、人々を支配することと、権力をふるうことだとキリストは言われますが、確かに、多くの国や、カルト教団における悲しい現実です。これに対して、聖書的な指導者は、全く違う性質を現わします。
 「しかし、あなたがたの間では、そうではありません。あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、みなのしもべになりなさい。人の子が来たのも、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためなのです」(マルコ10:43-45)。
 世界の各国において、また各宗教団体において、このような指導者が起こされれば、人間社会がどんなに大きく変わるでしょうか。